みなさんこんにちは、ハルキです。
今回はターゲットを設定する上で必ずといっていいほど必要になるSTP分析についてご説明します。
1.STP分析の目的
STP分析の目的は商品やサービスを販売したいターゲットを明らかにして、そこに狙いを定めた戦略を練ることです。そうすることで、購入につながりやすい市場を開拓することができます。
STP分析は以下の3つの観点から市場を絞っていきます。
- Segmentation(セグメンテージョン)
- Target(ターゲット)
- Positioning(ポジショニング)
2.STP分析の活用方法
Segmentation(セグメンテージョン)
セグメンテーションでは、人口動態、地理的、心理的、行動の4種類の変数からセグメントを掛け合わせユーザーの特徴を細分化します。
1.人口動態変数
人口動態変数ではユーザーの基本的な属性から分析していきます。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 所得
- 家族構成
2.地理的変数
地理的変数ではユーザーが住む地域による違いやそこから生まれるニーズから分析していきます。
- 地域
- 文化
- 周辺施設
- 都心/郊外
3.心理的変数
心理的変数ではユーザーの趣味や考え方など心理的な要因から分析します。
- ライフスタイル
- 趣味嗜好
- 購買動機
- 価値観
4.行動変数
行動変数ではユーザーが商品に対しどのようにアプローチしていくかから分析します。
- 利用回数
- 購入場所
- 購入プロセス
Target(ターゲット)
ターゲットでは、セグメンテーションで細分化したユーザーからリアルなペルソナを設定します。
年齢や性別、仕事、趣味や価値観など詳細なプロフィールが設定された「一人の架空人物」を作り上げることで本当にそのユーザーにとっての自社サービスの分析が可能になります。
Positioning(ポジショニング)
ポジショニングでは、ターゲットとなったユーザーに好まれるように自社の商品やサービスの立ち位置を決めます。
他者との違いを言語化することでターゲットユーザーに愛される商品作りができます。
また同じポジショニングをとっている企業を分析することで、自分たちに何が足りないのかをロジカルに考えることも可能です!
3.活用事例
続いてはSTP分析の活用でターゲットを明らかにして市場を開拓した企業例をご紹介します。
みなさんもよくご存知であろう「スターバックスコーヒー」です。
数多くある喫茶店やコーヒーチェーンの中で独自のポジショニングを取るために、スターバックスは徹底的なSTP分析を行いました。
セグメントで市場では「オフィスワーカー(人口動態)」「 都心勤務(地理的)」「仕事に生き甲斐を持つ(心理)」 で細分化されます。
次にターゲット分析で「都市で働き仕事に生き甲斐を持つオフィスワーカー」というペルソナを確立し、そこから「リッチなコーヒーと空間で仕事が充実する都心のおしゃれなカフェ体験」という独自のポジションを確保したのです。
コーヒーを売っているのではなく30分~1時間のリッチな体験を売っているというのがユニークですね。
Segment | オフィスワーカー/ 都心勤務/ 仕事に生き甲斐を持つ |
Target | 都心で働き仕事に生き甲斐を持つオフィスワーカー |
Positioning | リッチなコーヒーと空間で仕事が充実する都心のおしゃれなカフェ |
総合求人メディアのワンキャリアはご存知でしょうか。
リクルートやマイナビと同じく、企業からの掲載依頼で収益化しユーザーが求職者が応募するビジネスモデルで、マイナビやリクルートと比較し高学歴な人材の獲得率が高いことで有名になり、高い掲載料を払ってでも掲載したい企業が続出しました。
ではワンキャリアがなぜ優秀な人材が集まるのか。
それはリクルートなどが「掲載企業」をターゲットにしたサービスであるのに対し、ワンキャリアは「優秀な人材」をターゲットにしたからです。
ワンキャリアではクチコミや定性情報など優秀な人材が知りたい企業情報を本音で載せています。
多くの場合、企業が発信したい情報を載せるのが求人メディアですが、リアルな情報を載せることが前提にあるからこそ、良い人材が集まり、良い人材が欲しい企業が集まる循環が生まれるのです。
Segment | 学歴 / 就職先に求める情報 |
Target | 高学歴で就職先に対しリアルな情報を欲し、働くイメージを持ちたい就活生 |
Positioning | 自分の考えとマッチし、本当に働きたいと思える企業と出会えるメディア |
4.終わりに
いかがだったでしょうか?
STP分析はユーザーと自社商品を結びつける上でなくてはならない分析方法です。
セグメントとターゲットを理解することは、自分の商品を理解することです。
「商品が売れない」と悩んだら一度ここに立ち戻ってくるのもいいかもしれません。