みなさんこんにちは、ハルキです。
みなさんもマーケティング活動をする上でこんな悩みをもつのではないでしょうか?
- この商品はなぜ売れたんだろう
- 今ユーザーが求めているサービスは何だろう
そんなユーザーが求めているものを知りたい時に役に立つのが「ジョブ理論」です!
今回はこのジョブ理論について分かりやすく解説していきます!
ジョブ理論はとても難解です!ですが理解すれば、あらゆるマーケティングスキルが伸びます!
今回は「非常に分かりやすく」「実践的」に解説していこうと思います!
今回参考にした著書は「ジョブ理論 イノベーションを可能にする消費のメカニズム」(著:クリストン・M・クリステンセン)です。
ジョブ理論の目的
ジョブ理論の目的は「なぜ顧客がその商品を購入するのか」を明らかにすることです。
これにより
- 顧客のウォンツの把握
- いまいち売れない商品の原因解明
- 商品開発
- 次に来るイノベーションの予測
ができるようになります。
ジョブ理論の概要
ジョブ理論での「ジョブ」とは特定の条件下において、ユーザーが片付けたい「用事・仕事」を指します。
そこでそのジョブを片付けるために、ユーザーは商品を「雇用(購入)」するのです。
ジョブの大きさはさまざまで、定期的に起きることもあれば、突然起きることもあります。
自分で片付けることが難しい「ジョブ」を、商品を「雇用」することで解決するという考え方がユニークですね!
それでは「ジョブ」と「商品の雇用」について例を交えながら見ていきましょう。
小さなジョブ:恋人と行列に並んでいる時にできる暇つぶし
雇用する商品:2画面で二人同時にできる心理テストアプリ
大きなジョブ:仕事で忙しいがスタートアップのマーケティング職に転職したい
雇用する商品:スタートアップに特化した転職エージェント
突発的なジョブ:就活の面接前にネクタイをしてくるのを忘れた
雇用する商品:コンビニで売られている800円のネクタイ
定期的なジョブ:毎日夜遅くに帰るが、簡単でおいしく健康的な食事をしたい
雇用する商品:毎週7食分届き、レンジで温めるだけで用意できる健康食
このようにジョブ理論を使えば、ユーザーの「ジョブ」にカチッとはまるサービスを作ることができます。
ジョブ理論のフレームワーク
それではジョブ理論のフレームワークについてご紹介します。
ジョブ理論のフレームワークは以下のような流れになります。
- ジョブを知るための5つの質問
- ジョブの発生から商品の雇用までのストーリー
- 5つの質問の整理
- ジョブの発見
それでは順番に解説していきましょう。
ジョブを知るための5つの質問
まず対象となる顧客の状況をさまざまな項目から整理します。
ジョブが生まれる状況は以下の5つの項目から生まれます。
- 1.顧客が成し遂げたいことは何か?
- 2.苦心している状況は何か?
- 3.障害となっているものは何か?
- 4.不完全な解決策で我慢し、埋め合わせの行動をとってないか?
- 5.顧客にとってより良い解決策をもたらす品質の定義とは何か?
まず顧客が求めている機能や、なりたい姿はどんなものなのかを洗い出します。
これは「誰がいつどこで何をしている時か」という顧客の状況です。
ここでは成し遂げたいことを妨げる「苦い経験」や「価値観」を指します。
ここでは「代替品の使用」や「複数商品の継ぎはぎ」で一時しのぎをしてないかを探ります。
顧客が理想とする体験をかなえる品質を指します。
これら5つの質問を把握することがジョブ発見に必要になります!
「ジョブの発生」から「商品の雇用」までのストーリー
次に5つの質問を埋めていくために、顧客の「ジョブの発生」から「商品の雇用」までのストーリーボードを作る必要があります。(図1)
そのためには以下のような流れで行動と思考を整理すると良いです。
- 購入したのはいつ・どこで・誰といたか(購入時の状況)
- その商品でどんな体験を得られたか(得られた体験)
- その商品をなぜ買ったのか(購入時の思考)
- 購入以前の状況・ライフスタイル
それでは実際にストーリーボードを埋めていきましょう。
今回は私が大好きなMt.RAINERエスプレッソを題材にしてみました。
Mt.RAINIERは森永乳業さんから出ている商品で、いつも仕事のおともになってます。
私はこのコーヒーの味が好きでよく買います。
しかし私が満たしたいのは「味」だけではないはずです。
それでは私がMt.RAINIERエスプレッソを購入するときのストーリーをまとめてみましょう。
そしてこれらを図にまとめるとストーリーボードが出来上がります。(図2)
コーヒー1つ選ぶのにも色々な条件が重なっているんですね
それではストーリーボードをもとに5つの質問を埋めてみましょう。(図3)
味で選んでいたはずが、どうやら本当に求めているものは他にありそうです。
さあ、いよいよジョブの発見です!
ストーリーボードを見るとMt.RAINIERが私にとってどんな価値があるのか見えてきます。
導き出したMt.RAINIERが満たす私のジョブは
「いつもいつも新しいアイデアを求められる。今日も朝から会議や資料作りに忙しい。午後の終わりにオフィスで午前の自分を労ってくれて、クリエイティブでスマートに仕事をこなす自分のパートナーとなり、上質な甘さとともに手軽に連れて行ってほしい!」
です!
ここまで長かったですね、お疲れ様でした!
このジョブ理論を本当に活用できるようになれば一流マーケターと呼べるでしょう!
ジョブ理論を使えば、商品の「ブランドストーリー動画」なんかもつくれちゃいそうですね
ジョブ理論の活用事例
ではジョブ理論について理解したところで、その他のジョブを実例で見ていきましょう。
無印良品
無印良品は「簡潔で気持ちのいい低価格の生活用品」を売り出すメーカー・小売です。
けして機能に優れた商品を売っているわけでもなく、100円均一ショップでも揃えられるのに、なぜ私たちは「無印良品」に足を運んでしまうのでしょうか。
無印良品のポイントは大きく3つあります。
- 簡素・上質・お手頃で無駄のないシンプルな生活用品
- メーカー兼小売店舗で、商品の売り方までデザイン
- 環境や体に配慮された商品コンセプト
そして無印良品のジョブは私の場合、以下になります。
【ジョブ】
賑やかな雰囲気は嫌いだが、無機質なものが好きなわけでもない。
そんな私に、より「感じの良い生活」をもたらすにはどうすればいいのか。
【ストーリー】
土日に部屋の片付けをして本を読んでゆっくり過ごしている時間が好きだ。時折、部屋から入ってくる風が気持ちいい。読書が終わったら、気晴らしに買い物でも行こうかと思う。
近くのショッピングモールに来た。
食料品から洋服、カフェなどが立ち並ぶ中「無印良品」の店舗が入っている。
入り口付近にはネイビーのベッドや、簡潔だが温かみのあるソファ、テーブルが展示されている。無印良品に行くと、「感じのいい生活用品」が揃っている気がする。私の生活を「感じ良く」してくれるアイテムはあるかな?
iPhone
続いてAppleのiPhoneを例に考えていきます。
「iPhone」と「アンドロイド」、みなさんはどちらでしょうか。
私はiPhoneを使っています。
ポイントは以下3つです。
- 洗練されたデザイン
- iPhoneという1つの商品ブランドをアップデートさせ、展開させている。
- Macbookやapplewatchなど常に最先端の商品を出すApple社の商品だから
そしてiPhoneのジョブは私の場合、以下になります。
【ジョブ】
私を進化させてくれる
【ストーリー】
スマートフォンを3年前に買ってそろそろ機種変更したい。
携帯ショップに行ってみて、結局どれを買えばいいのやら。私の利用範囲ではどれも一緒だろうけど。
アンドロイドがたくさんある中で、iPhoneがある。
iPhone12だって?私が持っているのはiPhone8だぞ・・・。使い心地が良くなったのか?
まあ、今も時代の先をいくApple社の製品だし、一つのブランドに注力する姿勢は好きだ。
よし、君をお供にすれば私もApple社や洗練されたiPhoneのように進化できるんだな?
Androidはさまざまな機種と名前がありますが、結局どれを選べばいいかわかんないというのが個人的な感想です。iPhoneだったら「間違いない!」と思って選びました。
ジョブ理論を無視した失敗例
それではジョブ理論を活用して失敗した例をご紹介します。
セグウェイ
セグウェイは電気で走るキックボードのような形をした乗り物です。
これが必要になるのは誰で、それはいつ必要になるのでしょうか。
・・・思いつかないですよね?
もともとセグウェイは個人の交通手段を効率化する目的で発明されました。しかし、これを使って何かが解決されるイメージは誰にも湧かず、受け入れられることはありませんでした。
ジョブ理論でできること
ここまででジョブ理論を理解できたのではないでしょうか?
でも、ジョブ理論って商品開発の考え方で、実際に自分には必要ないかなって思ってませんか?
いいえ!そんなことありません!
ジョブ理論はWebマーケターのスキルにも応用できます!
①コピーライディング
顧客の片付けたいジョブがわかっていれば、ユーザーに刺さるコピーが書けます。
②Webデザイン
顧客のイメージや購入後の体験をイメージで伝えることができれば、顧客はこの商品が自分の欲しい体験を提供してくれることを理解します。
③ストーリー設計
ジョブの発生から商品の雇用までのストーリーがわかっていれば、ユーザーを惹きつけるストーリーを設計できます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ジョブ理論を活用することで
- 商品が売れない原因
- 次に求められるイノベーション
を把握することができます。
自分が持つサービスが顧客のジョブを見たせているか一度考えてみるのもいいかもしれませんね。
「ジョブ理論 イノベーションを可能にする消費のメカニズム」(著:クリストン・M・クリステンセン)